研究用モデムボードの研究
吉野電装で研究用モデムボード(\100)というのを買ってみました。56Kのモデムボードのようですが詳細全く不明です。

載っている主なチップはCONEXANTというメーカーのRP56D/SPとL2800-38です。
他に2MbitのFlashROMと1MbitのSRAMが載っています。FlashROMとSRAMを取るだけでも元が取れそうですがせっかくなのでモデムとして使えるのかを調べてみました。

CONEXANTのホームページを見ても詳しい情報は何もありませんでしたが、検索してみるとここに似たような構成のモデムボードがありました。
このボードの構成を簡単に書くと

シリアル−LP2800(MCU)−RP56D(通信チップ)−公衆回線

のようになっていて普通にシリアルインターフェースで接続できるようです。吉野電装のボードも同じようにシリアルインターフェースになっていれば簡単にPCに接続できそうです。

コネクタが2個ついていますが、写真の左側がPCとのインターフェースで右側が公衆回線とのインターフェースになっているようです。
右側のコネクタはどのように接続するか簡単に予想がつきますが、左側のコネクタは見ただけではさっぱりわかりません。

ボードに載っている74シリーズのICから電源とGNDを辿ってみると、15〜18,20がGND、1,2,19が電源になっていました。

とりあえずコネクタのピンがボードのどのチップに接続されているかを調べてみると、ほとんどのピンがL2800のピンに直結されていて、12番ピンはRP56D、14番ピンは330Ωの抵抗を介してLH1525というチップに接続されていました。
電源を接続してピンの電圧を測ってみると3,5,8が0V、6,7が0.4V、12が2.5V、4,11,13,14が5Vとなっていました。

次にどれが出力でどれが入力かを調べます。1kΩくらいの抵抗でプルアップ・プルダウンをしてみて電圧が変化すれば入力、電圧がほとんど変化しなければ出力とわかります。3,6,7が入力、4,5,8,11,12,13,14が出力のようです。

RS232Cの送信データ、受信データのピンは普通はピン番号の小さめの方に割り当てられているので3番が送信データ、4番が受信データと予想してPCと接続してみました。抵抗とダイオードと74HC04でレベルと論理の変換をしています。MAX232などを使うのが正しいんですが実験なので簡易版にしました。

ターミナルでATと打ってみるとOKと返ってきました。成功のようです。送信データ・受信データ以外のピンは何も接続しなくても動くようです。
ATI4と打つとMELCO WLAR-L11-Mという機種名が返ってきました。MELCOの無線LAN用の内蔵モデムだったようです。

他の信号線も接続したほうが良いんですが調べてもよくわかりませんでした。わかった人はメール掲示板で教えてください。

2001/7/23 追記
PさんがRP56D,L2800のデータシートを見つけてくれました。ピン配置が全部わかりましたので表に追加しました。

※注意
このモデムボードを公衆回線に接続して使用すると電気通信事業法に抵触し、違法となりますのでご注意ください。

回路図


コネクタ1
番号記号信号名入出力機能
1VC電源電圧(+5V)-
2VC電源電圧(+5V)-
3SD(TxD)送信データIN端末からモデムに送信されるデータ
4RD(RxD)受信データOUTモデムから端末に送信されるデータ
5CS(CTS)送信可OUTモデムがデータを送信できる状態にあること示す信号
6RS(RTS)送信要求IN端末からモデムに対する送信要求信号
7ER(DSR)データ端末レディIN端末が動作可能状態であることを示す信号
8DR(DTR)データセットレディOUTモデムが動作可能状態であることを示す信号
9NC-
10NC-
11CI(RI)被呼表示OUT電話回線より呼出があることを示す信号
12SPKRスピーカーOUT
13CD(RLSD)キャリア検出OUTキャリア受信中を示す信号
14OHオフフックOUTオフフックの状態を示す信号
15GND基準電位-
16GND基準電位-
17GND基準電位-
18GND基準電位-
19VC電源電圧(+5V)-
20GND基準電位-

コネクタ2
番号記号信号名入出力機能
1L1公衆回線接続端子-
2L1公衆回線接続端子-
3L2公衆回線接続端子-
4L2公衆回線接続端子-
5NC-
6NC-
7L1公衆回線接続端子-
8L1公衆回線接続端子-
9L2公衆回線接続端子-
10L2公衆回線接続端子-
11NC-
12NC-
13NC-
14NC-
15GND基準電位-
16GND基準電位-


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