ここに書かれている改造をやってあなたのマシンがぶっこわれても私は責任はとれません。もちろんメーカーの保証を受けることも出来ません。改造は個人の責任でやってください。
SOTECのWinBook2というノートパソコンを持っているのですがRAMが8MBしかありません。8MBでWindows95を動かすのはつらいので普通はRAMを増設しようとするのですが、このWinBook2という機種に増設できる専用のRAMカードは入手困難で高価です。
WinBook2にはマザーボード上に4MB、専用スロットに4MBを2枚まで又は16MBを1枚まで増設できますが、4MBと16MBの混在はできません。つまり最大容量は4MB(内蔵)+16MB(増設)で20MBです。私が持っているWinBook2には4MBの増設メモリが1枚載っていました。
この増設メモリは下図のように特殊な形状をしていて、積み重ねるようにして増設します。
UU ←コネクタ(メス)
============= ←RAMカード
UU ←コネクタ(オス)
UU ←コネクタ(メス)
================= ←マザーボード
4MBのRAMカードには4Mbit(1,048,576*4)の3.3VのDRAM(KM44V1000BL*)が8個載っています。これを16MbitのDRAMに貼り替えれば16MBのRAMカードができそうです。
しかし、16MbitのDRAMは4Mbitのものとはピン数が異なるので空中配線などをするか下駄のようなものを作らなければいけません。
それと、本物の16MBのRAMカードを見たことがないので配線の仕方について見当はついているのですが自信が持てません。
16MBだと失敗したときのリスクが高いので今回はやめて4MBの増設にすることにしました。
4MBのRAMカードは見本があるので配線がわからないということはありません。
- 用意するもの
- WinBook2用4MB-RAMカード
- ThinkPad230CS用4MB-DIMM
- 74HC244
ThinkPad230CS用4MB-DIMMは必ずRAMが8枚載っていることを確認します。他の機種のメモリでも3.3VでRAMが8個載っているものなら使えると思います。中古で3K円程度で買えると思います。
無印WinBookでは5VのRAM(ThinkPad530CS用など)を使用する以外はWinBook2と改造の方法は同じです。
74HC244はバッファです。無くても動くかもしれません。
- RAMはがし
足を1本づつはんだごてで温めながら細いピンで浮かしていけばはがれます。
- 亀の子
はがしたRAMをRAMカードのRAMの上に重ねて#RAS(4番ピン)以外の足を下のRAMに半田付けします。
RAMカード上に74??244が2個載っていますがすべてのゲートが使用済みで空きゲートが無いので新たに74HC244を追加します。(8ゲートのうち1ゲートしか使用しません)
上側のコネクタの35Bを追加した74HC244の入力に接続し、8個のRAMの#RASすべてを74HC244の出力に接続します。
これで改造は終了です。起動してRAMが認識されるかためしてみましょう。
- 資料
以下にWinBook2用RAMカード(CJ24X0129-4)の主要な信号を示します。
| A | B |
| 1 | GND | 1 | GND |
| 2 | #CAS(U1,U2) | 2 | GND |
| 3 | GND | 3 | GND |
| 4 | GND | 4 | #CAS(U3,U4) |
| 5 | GND | 5 | GND |
| 6 | | 6 | |
| 7 | | 7 | |
| 8 | | 8 | |
| 9 | | 9 | |
| 10 | | 10 | |
| 11 | | 11 | |
| 12 | | 12 | |
| 13 | | 13 | |
| 14 | GND | 14 | GND |
| 15 | #CAS(U5,U6) | 15 | GND |
| 16 | A10(?) | 16 | A11(?) |
| 17 | A8 | 17 | A9 |
| 18 | A7 | 18 | A0 |
| 19 | A6 | 19 | A1 |
| 20 | A5 | 20 | A2 |
| 21 | A4 | 21 | A3 |
| 22 | GND | 22 | GND |
| 23 | #RAS(3) | 23 | |
| 24 | GND | 24 | #CAS(U7,U8) |
| 25 | #WE | 25 | GND |
| 26 | GND | 26 | |
| 27 | GND | 27 | |
| 28 | | 28 | |
| 29 | | 29 | |
| 30 | | 30 | |
| 31 | | 31 | |
| 32 | | 32 | |
| 33 | | 33 | |
| 34 | | 34 | |
| 35 | | 35 | #RAS(1) |
| 36 | Vcc | 36 | Vcc |
| 37 | Vcc | 37 | Vcc |
| 38 | #RAS(2) | 38 | Vcc |
| 39 | Vcc | 39 | Vcc |
| 40 | Vcc | 40 | Vcc |
三角のしるしがついているピンを1Aとします。
空欄になっているところはデータ線です。
16A(A10)と16B(A11)は間違っている可能性があります。
下側のコネクタと上側のコネクタは、ほとんどのピンがそのまま同じピン同士がつながっていますが、16A,16B,23A,35B,38Aは下表のように接続されています。
| 下側コネクタ | 上側コネクタ |
| 16A(A10) | 未接続 |
| 16B(A11) | 未接続 |
| 23A(RAS(3)) | 38A(RAS(2)) |
| 35B(RAS(1)) | 23A(RAS(3)) |
| 38A(RAS(2)) | 35B(RAS(1)) |
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