E500シリーズは標準では日本語の表示ができませんが、デバイスドライバと8×8ドットフォントをインストールすれば、20文字×4行の日本語の表示が可能になります。
但し、フォントが58KB、漢字変換辞書が74KBあるので、本体の改造かRAMカードの増設が必須になります。
ここでは、Windows95のパソコンとレベルコンバーターを使って、初期状態のE500シリーズ(RAM:256KB、倍速)に日本語環境をインストールする手順について解説します。
赤い文字はE500シリーズで入力するコマンド、青い文字はE500シリーズの画面に表示される文字とします。
- RAMファイルを確保する
デバイスドライバをインストールすると通常の方法ではS1:にRAMファイル(E:)を作ることができなくなるので、E:が必要な人は、デバイスドライバをインストールする前に確保しておく必要があります。
INIT"E:??K"
※ ??は確保する容量(KB)
- マシン語エリアを確保する
インストールするソフトはほとんどがマシン語のプログラムなので、最初にマシン語エリアを確保しなければいけません。
使用するプログラムにも依りますが、15KB程度あればほとんどのプログラムは動作すると思います。エディタで大きめのファイルを編集するときなどは編集するファイルの大きさに応じたマシン語エリアが必要になります。
マシン語エリアを確保するには、マニュアルに載っている方法もありますが、SET.BASというプログラムを使うのが楽です。
まずSET.BASをE500に転送します。
E500とパソコンをレベルコンバーターで接続したら、E500で
OPEN$
と打ち込むと、初期状態のE500では
1200,N,8,1,A,C,&H1A,N,S
と表示されるはずです。
1200bpsでフロー制御はしないことを表しています。
これを、1200bpsでフロー制御をXon/Xoffに設定します。
OPEN"1200,,,,,,,X"
エラーが出なければ
LOAD
と打ち込んで受信状態にします。
パソコン側では、[スタート]->[プログラム]->[アクセサリ]のハイパーターミナルを起動します。
「新しい接続」と表示されたら適当な名前を入力して、接続方法を「Com 1(レベルコンバーターを接続したポート)へダイレクト」にします。「ビット/秒」はE500を倍速に改造していない場合は「1200」、倍速に改造してあるばあいは「2400]に設定します。「フロー制御」は「Xon/Xoff」にします。
詳細設定では「FIFOバッファを使用」のチェックをクリアしておきます。FIFOバッファを使用する設定になっているとパソコン->ポケコンの転送時にポケコン側の受信バッファがあふれることがあります。
※ハイパーターミナルは文字化けする不具合がありますのでご注意ください。
設定が終わったら[転送]->[テキストファイルの送信]でSET.BASを選択して送信を開始します。転送が終わってもポケコン側にプロンプト(">")が表示されないときはパソコンで[CTRL]+[Z](EOFコード)を入力してください。
転送の途中でエラーが出るときは、通信速度を下げてみてください。フロー制御、FIFOバッファなどの設定なども確認してください。
エラーは出ないけどファイルが転送されないときはケーブルの接続、シリアルポートの番号などを確認してください。
転送が終わったらSET.BASを実行します。15KB確保したいときは15Kと入力します。
- PLINKをインストールする。
上記の方法ではBASICのプログラムなどをE500に転送することができますが、マシン語のファイルを転送することはできません。
マシン語のファイルを転送するには専用のソフトが必要になります。
ここではPLINKの使い方について説明します。
PLINK(ポケット・リンク・システム)は、E500とパソコンをレベルコンバーターで接続し、パソコンのディスクを、E500から"L:"ドライブとして、RAMファイル"E:"や"F:"と同じように扱うことでE500とパソコンのデータ交換ができるというシステムです。
パソコンにはサーバープログラム、E500にはデバイスドライバが必要です。
E500用のデバイスドライバには、近成人氏のPLINK Ver1.04とAesop・M68氏によって改良されたPLINKC Ver1.61があります。PLINKCがおすすめです。
サーバープログラムは、Rev氏が作成されたAPLINKS for Win32を使います。
まず、PLINKC.BASをSET.BASを転送したのと同様にE500に転送します。
実行するとS1:にPLINK.SYSが作成されます。
PLINKCは仮想ドライブの容量を128KBと512KBから選択できます。初期値は128KBになっていますが、
INIT"L:5"
で512KBモードに切り替えることができます。
通信速度はBASICのOPEN命令で設定した速度になります。OPEN命令では9600bps(倍速の場合は19200bps)までしか設定できませんが、
POKE &BFD33,&79
で19200bps(倍速の場合は38400bps)に設定することができます。
APLINKS for Win32の設定は通信速度を19200bps(倍速の場合は38400bps)、仮想ドライブ容量を512KBに設定します。
FILES"L:"
でパソコン側の仮想ドライブが表示されれば成功です。あとは、E:などと同様に使うことができます。
切断するときは、必ず
INIT"L:D"
でE500のキャッシュを掃き出して下さい。
- HMFをインストールする。
HMFはMS-DOS用のファイラー「FD」のようなものです。
HMFは次のようにインストールします。
パソコンではAPLINKSを起動し、HMFのアーカイブの中身を仮想ドライブに読み込んでおきます。
LOADM"L:HMFINST"
CALL &BF000
COPY "L:HMFMDL.SYS" TO "S1:"
インストールがうまくいっていれば
INIT"HMF:"
でHMFが起動します。
S1:にコピーしたHMFMDL.SYSはHMFに付属のBLK2TOPでスロットの先頭に移動しておくと良いです。
- SCRNJPNをインストールする。
HMFのインストールが終われば、あとは次々とソフトをインストールするだけです。
SCRNJPNのインストールは、HMFのシェルで次のように入力します。
DEVICE SCRNJPN.DVF
そして、SCRNJPN.FNTをS1:にコピーし、
INIT"SCRN:JS"
で、日本語の表示が可能になります。
S1:にコピーしたSCRNJPN.FNTはHMFMDL.SYSと同様にはBLK2TOPでスロットの先頭に移動しておくと良いです。
他には、JFP、FEなどをインストールしておけば、エディタで日本語の文章を作成する環境が整います。
- デバイスドライバを使うときの注意事項
デバイスドライバを削除するときは、必ずRELINK2などのツールを使って、デバイスリンクから切り離してから削除しなければいけません。
削除できるのは一番最後にインストールしたものだけです。途中のを削除するときは、それ以降にインストールしたものをすべて削除する必要があります。
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