64KBの機種にも32KBの基盤にフレキシブル基盤を乗せてむりやり32KBのRAMを2個乗せている機種(E550,1490UII)と、最初から基盤にRAMを乗せるパターンが2個あって32KBのRAMが2個乗っている機種(U6000,E650)があります。
どちらも改造法はそんなに変わりません。
・改造に必要な物
ここではU6000,E650の改造法について説明します。ほかの64KBの機種はRAMの乗っている場所とROMの種類が違います。
下図を参照してROMなどから引っぱってきてください。ROMに無い信号の場合はCPUなどから引いてくるしかありません。信号線はCPU->ROM->左のRAM->右のRAM->LCDCと流れているので左のRAMのパターンを剥がしたときは右のRAMへもジャンパ線を引く必要があります。さらにA12,A13はLCDコントローラーへも行っているのでこれを剥がすと悲惨です。がんばりましょう。
線がちゃんとつながっているか1本づつ調べれば必ずなおります。RAMのせいにしてはいけません。RAMははんだごての熱くらいではめったにこわれません。
・改造する
フラットパッケージの1Mbit-SRAMです。
??の部分はアクセス速度。ポケコンなので120nsなど一番遅いのでいい。
RAMは東名電子産業株式会社で入手できます。
詳しくはトランジスタ技術の広告を見てください。
RAM容量が32KBの機種では74HC139などのデコーダICが1個必要です。64KBの機種では不要。
半田吸い取り器は不可
はんだごてで暖めると絶縁皮膜がとける線が便利。ラッピングワイヤーは半田が乗りにくい。
はんだ付けをやったことがない人がやるとまず失敗します。それなりの半田付け技術が必要です。RAMを基盤に乗せるのは簡単ですが、最初に乗っているRAMを取り外すのがけっこう難しい。
U6000,E650は4MのROMを使っているのでA16とA17をROMから引いてくることができますが、他の機種は1MのROMなので(違うかも)A17をほかの場所から引いてくる必要があります。
トラブルシューティング
とりあえずふたを開けましょう。
62256などと書いてあるのがRAMです。RAMをはがす代表的な方法を2つ説明しておきます。
RAMはがしで最も重要なのはRAMはぶっこわれてもいいけどパターンをはがしてはいけないということです。極端なことを言うと、RAMの足を全部ニッパーで切ってから、基盤に残った足を取るという方法もあります。でもこの方法はパターンを傷めてしまう可能性も高いのであまりおすすめできません。
この方法が一番簡単で確実だと思います。
まず半田吸い取り線で全部のピンの半田をきれいに吸い取ります。この作業が不十分だとあとでパターンがはがれたりして大変です。
次にピンを1本づつはんだごてで温めながら安全ピンの先などを使ってはがしていきます。
RAMがはがれたら、パターンに残っている半田を吸い取り線できれいに吸い取っておきます。
この説明では少し不十分だと思うのではがしかたについては自分で研究してください。
片側に半田をたくさんのせて一気にはがす方法です。↑のより難しいと思います。
1MのRAMはそのままでは幅が広すぎて、足が4本多いので少し加工します。
まず、RAMの1,2,31,32番ピンを横に伸ばします。そして他の足を適当に内側に曲げて狭くします。
元のRAMがのっていた場所に1MのRAMをのせます。このとき、RAMの3番ピンから30番ピンまでをパターンに半田付けして、1,2,31,32の4本は浮かせておきます。
この半田付けは1本づつやってもいいんですけど、少し多めに半田をのせて一気に全部のピンをつけてからあとで吸い取り線で吸い取る方法が簡単です。もちろん最初に位置を決めるために2本ほど仮止めしておくことは言うまでもありません。
下図のように配線して完成です。電源を投入するとS1を初期化しますか?と聞かれるはずです。初期化して FRE0 と入力して 257976 と表示されたら成功です。